皆さまの豊かな未来に向けた架け橋になる。
新しい価値創造へのチャレンジ。

最初に証券会社の機能と役割をお聞かせください。

絹川: 資本市場の仲介者として、個人金融資産を企業・社会の成長につなげ、その企業・社会の成長を個人資産形成につなげていく好循環を実現すること、それが私たちが考える証券会社の使命です。日本における金融ビジネスは、長い間、主に融資によって経済活動を支える「銀行」が中心的役割を担ってきました。しかし現在では、資本市場を活用して必要資金を調達する「証券」に対する期待はますます高くなっています。たとえば、企業の資金調達の方法を見ても、かつては銀行からの借り入れや株式・債券発行によるものがほとんどでしたが、現在は積極的な財務戦略、企業経営が求められ、ハイブリッドファイナンスやアセットファイナンスなど選択肢が広がっています。また、企業のみならず、私たちの暮らしに関係の深い年金なども、証券市場の積極的な活用なくして成り立ちません。証券会社の役割と責任は格段に重くなってきているのです。証券会社は社会への影響力を強く意識しなくてはなりません。

みずほ証券はその役割をどのように果たそうとしているのでしょうか?

絹川: 私たちみずほ証券は、一人一人が自立したプロであることに拘りつつ、従来型の証券会社のやり方を超えて新しい価値創造にチャレンジし、社会の成長に貢献していきたいと考えています。デジタライゼーション、グローバル経済の分断・分極化が一気に加速、人々の生活や社会の在り方、企業活動、産業構造等の不可逆的な変化が止まることはありません。お客さまの資産を守り意義のある投資を行ってもらうこと、新しいビジネスをつくりあげようとしているお客さまの挑戦を資金面を中心に支えていくこと、証券会社への期待にプロとして確り応えていくとともに、世界経済のダイナミズムを追いかけ、みずほ発でも新しい流れをおこしていきたいですね。「個人・企業・投資家」「日本と世界」「現在と未来」をつなぐ架け橋として、お客さまに新たな価値を提供できるよう日々考えて業務に取り組んでいます。

日本の家計の豊かさの増進へ。
みずほ証券が投資家の行動様式を変える。

「貯蓄から資産形成へ」というスローガンが掲げられてから、すでに約20年の時間が経ちましたが、どのような現状でしょうか。

絹川: 日本における家計の金融資産構成比をみると、依然、現金・預金がその半分を占めており、株式や投資信託などの投資に向かう資金は20%に満たない水準です(2019年12月末で16.4%)。「貯蓄から資産形成へ」という流れは停滞していると言わざるを得ません。米国では投資に回る資金が家計の金融資産のおよそ半分を占め、現金・預金は13%程度ですから、日本とは真逆の構成と言えます。ユーロ圏においても投資比率はおよそ30%と、日本よりも高いのです。資産形成という観点で比較すると日本は欧米各国に比べて明暗がはっきりと出ており、適切な形で国民の資産形成がなされてこなかった歴史であったことは否めない事実。証券会社はその責務を果たさなければいけません。

資産形成が進まなかった理由・背景は何だとお考えですか。

絹川: お客さまが投資の成功体験を得られてこなかったことが大きな原因だと考えています。日本経済は20年以上も停滞が続き、株価も伸び悩み金利はどんどん低下してきました。日本国内で運用しているだけでは投資の果実を享受できない状況が続いたわけです。一方、世界経済は右肩上がりで成長を続けてきました。世界の名目GDPは1980年の11.2兆米ドルから2019年の86.6兆米ドルへと伸長、NYダウは大きな下落局面が何度かあったものの過去40年間で約30倍もの値上がりを見せています。それに比べて日経平均株価は同じく40年間で3倍強の値上がりに過ぎません。少子・高齢化が加速して潜在成長力が低下し、20年以上も経済成長の横ばいが続く日本を尻目に、世界経済は成長し続けているのです。戦争や天災、経済危機など、これまでさまざまな苦難が襲いかかりましたが、そのすべての危機を乗り越えて着実に成長を続けているのが世界経済です。
私たち証券会社はこの事実を確りと認識し、真の意味でお客さまの豊かさを実現する投資戦略のご提案をしていかなければなりません。そうした想いから、当社が2016年から注力しているのが「グローバル・エクイティ戦略」、その名が示すように、グローバルに成長している国・企業への投資を促す取り組みです。

「グローバル・エクイティ戦略」は何を目指したものなのでしょうか。

絹川: 「グローバル・エクイティ戦略」は、「日本の家計の豊かさの増進に貢献したい」という想いから打ち出したものであり、みずほ証券の幅広いお客さま層の中でも、主に個人投資家のお客さまを対象としたものです。日本と米英の家計金融資産の推移をみると、米英と比較して日本の家計金融資産の伸びは明らかに低い。それは前述したように、資産配分が現金・預金といった、リスクのない安全資産に偏りすぎていることに起因しています。中長期的に安定的なリターンを実現するには、「長期」「分散」「継続」投資で一定のリスクを取ることが求められます。そしてその投資対象として最適なのが、成長を続ける世界経済、すなわち「グローバル・エクイティ」なのです。

「成長を続ける世界経済」への投資とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

絹川: 個人のお客さまが世界各国の株式から優良な個別銘柄を選択するのは極めて困難です。そこで私たちは、お客さまのニーズ、資産運用の目的、リスク許容量などを丁寧にヒアリングしながら、個人でもグローバル分散投資を可能にする“投資信託”を軸にすえた運用戦略をご提案しています。2016年9月からスタートした投資信託「未来の世界」シリーズは、多くの個人投資家のお客さまに支持され、総資産額は2兆円を突破。価格が上昇しても売却せず長く保有いただくことをお客さまにお願いし続けた結果、多くのお客さまに含み益をもたらし、「長期」「分散」「継続」投資のメリットを享受いただいています。投資した資金が企業・社会の成長につながり、その成長がご自身の資産の増加となって戻ってくるという“投資の醍醐味”をお客さまが実感、新たな投資も広がってきました。私たちは今、自分たちが「貯蓄から資産形成へ」の流れを作り出せているという大きな手応えを感じています。「貯蓄から資産形成へ」の流れを、みずほが牽引し加速させていきます。

投資アドバイスの軸は「Time, Not Timing」。
未来への投資が成功体験を積み上げる。

「グローバル・エクイティ戦略」を推進する上で、どのような考え、スタンスで臨んでいるのでしょうか。

絹川: 何より大切にしていることは、まず最初にお客さまのお話をよく聞くということです。お客さまの資産の状況、運用の目的、ニーズをしっかりうかがうところから私たちのコンサルティングは始まります。お客さまによっては「グローバル・エクイティ」への投資をおすすめしないこともあります。また、投資にリスクはつきものですからお客さまには提案商品のリスクをしっかり説明しますし、他のご資産とのバランスを考慮してリスクをとりすぎないようバランスをとる提案をさせていただくケースも少なくありません。一方で、私たちはプロとして投資アドバイスの軸をもっています。それが「Time, Not Timing」という考え方です。証券営業の現場では株価が下がったら「買いましょう」、上がると「売りましょう」という旧態依然とした営業が少なからず見られました。そのため、損益を見極める売買の「タイミング」が重視されていたのです。もちろん、そうした短期の売買を好まれるお客さまも少なくありませんが、私たちはお客さまには目先の変動に惑わされないで、我々人類の成長を信じて未来の世界に投資することをお勧めしています。すなわち、資産の長期保有をすることによって「時間=Time」を味方にし、着実な資産運用を実現するというもの。その際の最適な投資対象の一つとして、世界の成長に長期目線で投資する戦略」を提案しているのです。
私たちが目指しているのは、「日本の資産を世界で生かす」こと、「分散投資で成功体験を積み上げる」こと、そしてその結果、「日本の家計の豊かさの増進に貢献する」ことです。「Time, Not Timing」の理念とグローバル分散投資の意義をファクトに基づき説明したデータ集を使って、営業担当者一人ひとりが未来へのストーリーを自分の言葉で語れるように徹底して取り組んでいます。

進化する「One MIZUHO」で、
お客さまに最高のサービスをお届けする。

銀行、信託銀行、証券の連携である「銀・信・証」、「One MIZUHO」の取り組み、それによる優位性についてお聞かせください。

絹川: 「銀・信・証」連携による「One MIZUHO」は、当社の最大のアドバンテージです。同様の体制を打ち出している同業他社もありますが、私たちが大きく先行しており、そこにはみずほの独自の思想、体制作りがあります。
ポイントは3つ。まず、「銀・信・証」いずれもが同等・フラットであり、銀行主導の体制ではないということ。「銀・信・証」が横並びであることで、それぞれの意見、発想が障壁なく行き交う柔軟な体制となっています。2点目は「エリア One MIZUHO」。「銀・信・証」連携は本社がハンドリングしているわけではなく、各エリアの現場で施策を考え、実践しています。私自身、かつて名古屋支店長を務めましたが、名古屋地区の銀行・信託の支店長と毎週のように会話し、お客さまにとってベストな提案は何か議論していました。ビジネスの最前線で「One MIZUHO」運営を行うことで、お客さまのニーズに的確かつ迅速に対応できています。そして3点目、「One MIZUHO」を組織的に支えている仕組みがグループ横断の「カンパニー制」です。みずほでは「銀・信・証」に横串を刺す形で、「リテール・事業法人カンパニー」「大企業・金融・公共法人カンパニー」「グローバルマーケッツカンパニー」など5つのカンパニーを設けています。カンパニーに戦略の立案、人材含めたリソース配分などの権限を持たせ、グループ一体で強力にビジネスを推進する仕組みを確立しています。このように、多様化するお客さまニーズに応えるために私たちが試行錯誤しながら進化させてきた「One MIZUHO」は、同業他社には一朝一夕にはまねできない大きな差別化ポイントであり、お客さまに最高で最適な商品・サービスを提供するための重要な基盤となっています。

やりたいこと、やるべきことを自ら考え出せる人。
そして、「ワクワク」しながら仕事を楽しめる人を。

期待する人材、求める人材像をお聞かせください。

絹川: 私が仕事を続けてきたのは、仕事が楽しくて辞められなかったからです。お客さまからいただく感謝の言葉にやりがいを感じ、自分がやりたいこと、好きなことをやり続け、常に仕事を楽しんできました。そこにあったのは、自分で考えて自分で責任を持ってチャレンジすることの「ワクワク感」。楽しく仕事ができる人の方が成果もあがるし、新しいことも生み出せます。だから仕事を積極的に楽しめる人に期待します。それは、好奇心を持ってスポンジのように何でも吸収し、面白いと思ったことを楽しくやろうと自ら動ける人です。また、与えられた課題に応えるのはある意味当然のこと。求められるのは、課題そのものを発掘・創出することです。あるべき姿を思い描き、そのゴールに向かうための課題を見出して解決する。そのためには規制の枠組みや考え方にとらわれず、新しい価値観を生み出す意欲を持った人を求めています。学生という今の時期、そして社会人になっても、やりたいことをとことん楽しむ人生を歩んで欲しい。その場所が当社であれば、心から歓迎します。

取材後記 No.01|Sachie Kinugawa

熱い人である。その熱量の源泉は、本人が語るように「仕事を楽しむ」ことから生まれていることは確かだろうが、同時にそこには、「世界を少しでもより良き方向へ変えたい」という強い意思が垣間見えた。日本の資産をグローバルに投資する取り組みは、その一例でもある。元々、銀行(旧富士銀行)に入行したが、子育てをしながら証券ビジネスでキャリアを積む。グローバルマーケッツ部門時代には国内初の新商品を企画、展開して社内外から大きな注目を集め、リテール・事業法人部門に異動後は支店長を歴任、営業部隊を牽引してきた。2017年、女性初の執行役員に就任。現在、プライベートバンキング統括の役割を担っている。